まず、為替レートが何によって決まるのか、そのしくみを説明しましょう。円や米ドル、マルクなどの通貨も、一種の商品です。ですから円や米ドルで何が買えるかが問題です。基本的には、それぞれの国のモノやサービスの価格、預金や債券に投資した場合の利益の水準が、円やドルの交換レートを決めることになります。ではなぜ、交換レートが時間の経過とともに変わっていくのでしょうか。ここで大事なポイントが、貿易黒字です。貿易黒字というのは、輸出が輸入を上回っている状態で、貿易赤字はその逆です。最新型のカラーテレビの例で考えてみましょう。日本で一台二四万円するカラーテレビが、アメリカでは一二〇〇ドルで買えるとします。この場合は、円とドルの関係は一ドル二〇〇円ということになります。しかし、アメリカと日本では、賃金や原材料の値段のあがり方、生産性向上のスピードに差がありますから、同じカラーテレビが、一年後には日本では一五万円、アメリカでは一〇〇〇ドルになったとします。このとき、一ドルが二〇〇円のままなら、日本のカラーテレビは七五〇ドルで売れるはずです。すると当然、安い日本のカラーテレビのほうが売れるので、日本からアメリカへの輸出が増えることになります。こうして日本の貿易黒字はどんどん増えて、話題になったのです。外貨預金をするときに、以上のことを参考にしてもらいたい。